先日、息子にレゴブロックを買ってきました。
「こうやって遊ぶんだよ~」とか言いながら遊び方の説明をしていたのですが、レゴブロックって面白いんですね。
ちょっと息子より私がハマりそうな予感がします。
中高生の反抗期真っただ中のお子さんを持つ親御さんから、「私の話なんか全然聞かないんですよ!」という怒りの言葉を度々聞くことがあります。
私もそういう時期があって、親の話なんかろくに聞かなかったものですから、自分の過去の振る舞いを反省するとともに、現在進行形でその時期を過ごされている親御さんは大変だろうなぁと思います。
反抗期は親から自立を試み始める時期なので、仕方ないと言えば仕方ないのですが、私は子どもと接するなかで、それでも話を聞いてもらえるようになる方法はあると感じます。
今日はそんな内容です。
人からプレゼントをもらったとき、もらったままでお返しを送らないでいると、なんだか気持ちが落ち着かない、お返しをしなければ、という気持ちになることはありませんか?
プレゼントをもらった時だけでなく、例えば手紙をもらったとか、親切にしてもらったとか、そういう場合にも、なんだか気持ちが片付かない、お返しをしなければという気持ちになることがあります。
それは、人は贈り物を受け取ったとき、それを返さなければと感じる生き物だからです。
この「返さなければ」と感じる気持ちのことを返礼の義務と言います。
これはなにも具体的なもののやり取りに限った話ではありません。
例えば、人から挨拶をされて、タイミングが悪く挨拶を返せなかったときにも同じような気持ちの落ち着かなさを感じるのも、挨拶というのが本質的に相手への贈り物だからです。
挨拶というのはコミュニケーションの一種ですが、そこでは何の有用な情報も交換されていません。
「おはよう」に「おはよう」で、「こんばんは」に「こんばんは」で応じるだけ、同語反復がなされるだけで、そこでは一つも有用な情報が交換されることはありません。
それでも、挨拶というコミュニケーションが世界中から無くなることなく脈々と続いているのは、挨拶には情報交換以上の意味があるからです。
それは相手の存在を認め祝福するという意味です。
誰かに挨拶するという行為の中には、「私はあなたがそこに存在することを認めます。」という相手がそこに在ることを祝福する意味が込められています。
だからこそ、私たちは、知っている人に挨拶をして返事が返ってこなければそのことに深く傷つくし、初めて会った人に挨拶をして返事が返ってくればそこに喜びを感じるのでしょう。
こうして挨拶というコミュニケーションの意味を考えていくと、挨拶というのが有用な情報の交換以上の意味を持つ相手への贈り物であることが分かります。
挨拶が贈り物であるように、「誰かの話を聴く」というのも相手への贈り物です。
その人のために時間を割いて、その人の話に耳を傾けるというのは、挨拶以上にその人の存在に対する祝福になり得ます。
ここで「聴く」という漢字を用いたのは、私の中で「聞く」と「聴く」には意味の違いがあるからです。
「聞く」は英語で言えばhearの意味です。音声情報がなんとなく耳に入ってくるというニュアンスです。
そして「聴く」は英語で言えばlisten toに対応します。音声情報に対して注意を向けるというニュアンスです。
だから相手の話に注意を向ける行為は「聞く」ではなく「聴く」になるのです。
誰かにじっくり話を聴いてもらったとき、たとえ自分の気持ちを完全に分かってもらえなかったとしても、
注意深く自分の話に耳を傾け、自分の気持ちを分かろうとしてもらった、そのことが嬉しいと感じたことはないでしょうか?
それは話を聴くというのが、相手の存在を認め祝福する行為、贈り物であるからです。
人の話を聴くことが相手への贈り物であり、贈り物に対して返礼の義務を感じるのが人間という生き物であるならば、
自分の話を聴いてもらうために必要なことが何か、自ずと分かってきます。
それはまず、自分が相手の話を聴くことです。
この人の話を聴いてみようと思うのはどんな人でしょうか?
自分の話にあまり耳を傾けることもせず、自分の話したい事だけを話す人の話を聴きたいと思う人は少ないのではないでしょうか?
この人の話を聴いてみようと思うのは、その人が自分の話を聴いてくれたから、そんなことはないでしょうか?
私は子どもと接していてそのことを強く感じます。
自分に時間的な余裕がなくて、ここを復習してとか、あそこの予習をするようにとか、自分の要望ばかりを話しているとき、子どもは言葉の交換の回路を閉ざす傾向にあります。
逆に、まず自分が相手の話に関心をもって聴けているとき、子どもも私の話を関心をもって聴いてくれるということが多いです。
だからお子さんが話を聴いてくれないとお悩みの親御さんにおすすめしたいのは、まず親御さんがお子さんの話を聴くということです。
親御さんがお子さんの話に耳を傾けるようになれば、すぐにというわけにはいきませんが、きっとお子さんの聴く態度にも変化が出てくるはずです。
それでは、話を聴くときに一体どんなことに注意をすればいいのでしょうか?
長くなりましたので続きは次回。
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