ついこの間、年が開けたと思ったらもうすでに二月。
雪の少ない冬は、車の運転が多い仕事には本当に助かります。
受験生の学習指導に、生まれたての子どものお世話に日々バタバタと過ごす毎日です。
私、事あるごとに子どもたちに「本を読みなさい」と何度も何度も言っています。
子どもたちの学習指導に携われば携わるほど、その重要性を感じます。
今回はなぜ読書が必要なのかについて考えてみたいと思います。
~子どもたちの読書量~
全国学校図書館協議会が毎年5月に読書量調査を行っています。
その最新のデータ(2018年5月)によれば、高校生の一か月の読書量は、1.3冊。
全く本を読まない不読率は55.8%に上るそうです。
小中学生は、2001年くらいから読書量が緩やかに上昇し、不読率は下降傾向ではありますが、
高校生は先に挙げたような低調な結果が続いています。
大学生の読書量に関して大学生協が調査した結果によれば、
2017年、1日の読書時間が0と答えた大学生の割合はなんと53.1%にもなるそうです。
読書時間120分以上の学生の割合はほんの5.3%に過ぎませんでした。
大丈夫か、大学生?と思うのは私だけではないと思います。
~文章が書けない~
国語の論説文を読んでいると、「筆者の主張していることを120字以内でまとめなさい。」というような問題が度々出題されます。
「空欄に当てはまる言葉を三語で書きなさい。」、とか「○○について説明している箇所を25字で本文中から抜き出しなさい。」とか、
自分で文章を作成せずともよい問題ならば正答率は比較的高いのですが、
文章中に散在する必要な情報を拾い集め、自分の言葉で編集し直すような問題になると、
全く書けないか、書けても参照する部分がずれていたり、言葉の使い方、文と文のつなげ方がおかしかったり、
正答率が大幅に下がってしまいます。
この文章が書けないということと、読書量が極めて少ないということは、間違いなく関係しています。
~子どもから時間を奪うもの~
前述の調査で、不読率が中高生に比して極めて高かった高校生。
その読書をしない理由の1位と2位は、
他の活動などで時間が無かったから(64.5%)、他にしたいことがあったから(47.3%)となっています。
私が今まで見てきた限り、高校生になるとまず全員がスマホを持っています。
そして学習中もひっきりなしに、着信音やバイブレーションの音が鳴っています。
特に男の子に多いですが、休みになると朝からずっとゲームをしているという子も多いです。
依存症に気を付けてくださいね、とお話させて頂くことも度々あります。
スマホにゲーム。
高校生だけではなく大人もでしょうが、これらは独りになる時間、思考する時間を人から奪うものだなぁと感じています。
スマホであれゲームであれ、確かに誰かと繋がれるような気はするし、暇つぶしには持ってこいなのですが、
そこに展開する情報は、結局誰かの都合(多くは大人の金儲け)のために作り出された小さなコップの中の話でしかないので、
それらに触れることで世界観が広がるなどということはそうそうあるはずがないのです。
高校生の多感な時期にそのような狭隘な価値観の中に閉じ込められて、
大人の都合に染め上げれていくことは本当に大きな損失だと私は感じます。
子どもたちが本を読まないこと、読書しないことで失われるもの、子どもたちから時間を奪い取るもの、と綴ってきましたが、
読書で得られるものとは何でしょうか?
次回はそのような内容を綴ってみようと思います。