先日亡くなられた樹木希林さんの映画「あん」を観ました。
優しい映画で本当に感動しました。
映画を観ながら、茨木のり子さんの詩が頭に浮かびました。
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聴く力 茨木のり子
ひとのこころの湖水
その深浅に
立ちどまり耳澄ます
ということがない
風の音に驚いたり
鳥の声に惚けたり
ひとり耳そばだてる
そんなしぐさからも遠ざかるばかり
小鳥の会話がわかったせいで
古い樹木の難儀を救い
きれいな娘の病気まで直した民話
「聞耳頭巾」を持っていた うからやから
その末裔は我がことのみに無我夢中
舌ばかりほの赤くくるくると空転し
どう言いくるめようか
どう圧倒しようか
だが
どうして言葉たり得よう
他のものを じっと
受けとめる力がなければ
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普段の自分のことですね。
声なきものの声に静かに耳を傾ける。
「聴く」というのはそういうことなんだなぁ。
聴くことの難しさと大切さについて気づかされました。
全国各地の映画館でも再上映されるようですね。
新潟市ではこちらで上映するようです。
機会があったらぜひ御覧になってください。