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読書のすすめ ~習慣化するために~

前々回のブログでは、読書離れに対する危機感を、前回のブログでは読書によって得られるものは何かについて、綴ってみました。

読書のすすめ ~読めない、書けない、その理由~

読書のすすめ ~地平線の向こう側~

読書の大切さは分かっているけれど、それがなかなか習慣化されない。

親御さんの中にはそのような悩みを抱えていらっしゃる方もおられることと思います。

そこで、読書習慣をつけるために、何が出来るのかを今回は考えてみたいと思います。

そしてこれは学習の習慣づけに関しても応用できる内容です。

 

~興味と難易度~

どんなに親御さんが読ませたいと願う本であっても、まずお子さんがその本に対してなんの興味もなければ、

きっとその本を読んでもらうことは難しいでしょう。

まずその本のジャンルがお子さんの興味を持てるものを選ぶこと。

これが大切です。

内容と同じくらい難易度も大切です。

人が最も集中できるのは、対象の難易度が自分にとってちょうどよい時です。

例えば、何かゲームをすることを想像してみてください。

そのゲームが自分に対応できる範囲を超えて難しかった場合、

またはものすごく簡単であった場合、そのゲームをしてみようと考えるでしょうか?

自分にとってちょうどよい難易度であるとき、人のやる気は最も引き出されるのです。

だから大人向けの難しい本であったり、低年齢向けの簡単な本であったり、

そのような場合にお子さんの興味を引くことは難しいでしょう。

以上のことから、まず読みたい本はお子さんを本屋さんや図書館に連れて行って、

実際に読んでもらったうえで、お子さん自身に選んでもらうことをお勧めします。

 

~毎日少しづつ~

今まで学習習慣がなかった子に、学習の習慣を身に着けるように話すと、

今まで全くしていなかったことに対する後ろめたさもあるのでしょうか、

1日2時間、3時間学習をする、という大きな目標を掲げがちです。

しかし、その目標の多くが習慣化することはありません。

習慣化するときのコツ、それは少量を毎日続けることです。

学習であれば、1日45分学習をするなどの目標から始めることです。

ストレスとは煎じ詰めれば変化のことです。

あらゆる変化がストレスであるからこそ、昇進や出産などの世間的におめでたいことでも、

精神疾患のきっかけになり得るのです。

大きな変化は大きなストレスになり得ます。

だから初めの変化はハードルを低く設定することが大切なのです。

読書に関して言えば、毎日30分くらいから始めてみるとよいと思います。

その際、始める時間と場所も決めるとより習慣化しやすくなります。

 

~環境~

お子さんにとって強い影響力を持つ環境要因の一つは親御さんです。

私が週に一回家庭教師でお邪魔して本を読むことが大切だよ、と語るよりも、

毎日たくさんの時間を一緒に過ごされる親御さんが、その効用を語るほうが何倍も効果的です。

親御さんご自身がその効用をお子さんに対して語れるためには、

まず親御さん自身がその効用をご自身で体験される必要があります。

どんなに人から説明されても、自分で体験してみなければ分からないことが世の中にはたくさんあります。

そしてそうであるからこそ、体験者の言葉というのは強い説得力を持つのです。

まずはご自身が読書の習慣を身に着けられ、それによって自分は何を得たのかを、お子さんに言語化されてみてください。

「本を読みなさい」と上から目線で語りかけるより、そういう親御さんの姿を見せることが、

お子さんに対して読書の魅力を何倍も雄弁に物語ってくれるのではないでしょうか。

 

私自身、小学校の時は全く本を読まない子どもでした。

先生の「本を読むといいよ」という金言を全力無視して野山を駆け回っておりました。

中学校に入ってから、たまたま手に取った椎名誠さんの旅行記が、私にとって自発的に読んだ初めての本になりました。

それから少しづつ本を読むようになり、大人になった今では、

一日の仕事を終え風呂に入り、眠る前に布団の中で本を読む時間が私にとって至福のひと時です。

本を読むことで得られるものをいくつか挙げてみましたが、私自身本から得たものは数えきれないほどあります。

そういう実体験があるからこそ、ゲームやスマホやテレビの世界に引きこもるのではなく、

本を通してその向こう側にある世界を見つけてほしいと強く思うのです。

あんまり口やかましくいうと逆効果にしかなり得ないと自制もしつつ、

これからも本の魅力を事あるごとに子どもたちに伝えていこうと思っております。

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