昨日、友人が開催する映画の上映会のスタッフを務めさせて頂きました。
三連休の中日、たくさんの方たちにご来場頂き、大盛会のうちに終わることができました。
本当にありがとうございました。
昨日の映画「ずっと、いっしょ。」は、3組のご家族の生まれること、生きること、死にゆくこと、を描いたドキュメンタリー映画です。
血のつながりがない五歳の息子さんにその事実を伝える男性と、死産を乗り越え出産に立ち向かうその奥さんの物語。
42年間連れ添った奥さんを亡くした悲しみから抜け出せず苦しむ男性と、それを支えるご家族の物語。
18トリソミーという先天性の病を持って生まれた男の子、そしてその事実を受け容れ、病とともに生きるご夫婦の物語。
それぞれに困難を抱えながらも、それでも生きようとする登場人物の姿に、人間のしなやかな強さを感じました。
映画の上映後、会場で、監督、脚本、撮影をされた郷田トモさんからのお手紙が紹介されました。
“生きていれば、否応なしにさまざまな困難が身に降りかかりります。
それでも、この映画に登場されるご家族はそれを受け容れともに生きていらっしゃる。
皆さんも生きる中で何かしらの困難が降ってきたとき、この映画を思い出して頂けたら嬉しいです。”
言葉が正確ではありませんが、このような趣旨のメッセージを頂きました。
自分自身の経験を思い出しながらその言葉を聞いておりました。
プロフィールにも書いておりますが、私は心身のバランスを崩し辛い時期がありました。
家族、友人をはじめ周りの人たちに支えて頂き今の自分があります。
その時は正直、「なんで俺だけが」「何も悪いことはしていないのに」「あいつのせいで」とか、恥ずかしい話ですが毎日のように思っていました。
幼い人間ですね。
ただ、家族に囲まれ、友人に恵まれ、仕事に恵まれ、元気になった今、振り返ると「あの時があったから」という気持ちになります。
両親をはじめ周りの人の支えのお陰で心身を壊すまで、私の人生は順風満帆でした。
ただそれを自分の力と過信し調子に乗っていたのだと今になれば思います。
あのまま何事もなく生き続けていたら、私は人の心の痛みにも気づけない本当に鼻もちならない人間になっていたことでしょう。
自分自身が身体を壊したからこそ、思うようにならず苦しんでいる人の姿に心を寄せることの出来る自分になれました。
だから「あの時があったから」という気持ちが湧いてきます。
苦しみの真っ最中にはこんな風に思えるようになるなんて想像もつきませんでしたが、
不思議なことにあの苦しかった時間さえ、今の自分を成す大切な一部と思える自分がいます。
子どもの頃に読んだ漫画「裸足のゲン」の冒頭で、ゲンのお父さんが、
「踏まれて踏まれて強くなる麦のような人間になれ」と言っていたのを思い出します。
艱難辛苦はその最中にはただただ辛いだけですが、そのプロセスが人を強く優しくしてくれる。
今回の映画から、郷田監督のメッセージから、そんなことに改めて気づかせて頂いた一日でした。
ご来場頂いた皆さんに、一緒にスタッフとして働いてくれた皆さんに、本当に感謝します。
ありがとうございました。